〜出雲・須佐神社から宮島・厳島神社へ!〜 6月2日(火)

6月2日(火)信仰と技術に感動。気高く、優しい厳島神社

【09:30】 はたご小田温泉を出発

旅館の近く、背には海というロケーションに道の駅「キララ多伎(たき)」がある。
いちじくソフトが食べたくて寄ってみたが、残念!お休みでした。

出雲の海ともお別れか・・・と思い、そのまま道の駅に車を停め、浜辺まで下りてみた。
歴史はサッパリ分からないが、私は古代出雲が日本人の死生観や信仰の考え方の
ルーツになっているのではないか、と(勝手に)思っている。
何故か。
出雲大社が日本最古の神社であるらしいから、という、いたって単純な考え。

国はそこに住む人がつくりあげていく。
幾度も大きな変貌を遂げてきたこの国と人、今もまた大きな変化の中にある。
と、いうようなことをしみじみ考えてしまうのも「一人旅プレイ」の楽しみのひとつ。

さて、須佐神社へ向かおう。
ガイドブックを読んでみて、大きい規模の神社とは思えないのに、
知名度抜群の須佐神社とはどんな神社なんだろう。

【10:20〜11:00】 須佐神社─樹齢1200年の大杉─

出雲の市街から山の方へ向かう。
それにしても緑が濃い。うぐいすが鳴いている。
ナビゲーションに沿って到着した須佐神社は、 主張するでもなく、これみよがしに威厳を放つでもなく、かといって、ただ佇んでいるのでもなく、まるで”帰省する子供を待つ親”のように迎え入れてくれる雰囲気だった。

懐かしいような不思議な気持ちで鳥居をくぐる。
私と同じ一人旅の女性、年配の夫婦、中年女性の3人グループ、 何かを祈願しているのだろうか、年配男性と神主さん。平日の朝だが、人気のある神社らしい。

清々しく、頼もしく、元気の湧いてくる場所で、人気があるのも解る気がする。 玉砂利を静かに踏みしめながら、ご本殿に沿うように見上げながら後ろへ回り込む。

ご本殿の後ろに大きな杉の木が、まるでご本殿が守るような形で、在る。 旅館のご主人が「須佐神社に行かれたら、ご本殿の後ろの杉の木をご覧になってください。」と言っていた。この木がその杉の木だ。

ふと、「私は在って在りつづけるものである。」の言葉を思い出した。昔観た「十戒」という映画のワンシーンだ。モーゼがシナイ山で神に啓示を受けるシーンだったと記憶している。 不思議に燃えるような光を帯びた木が、モーゼに上記のように語りかけてくるのである。

日本の神と、モーゼの神はまったく違うのだが、 なんとなくその言葉が似合うと思った。

神さまに、いつまでも在ってもらえるように。

神社やお寺というところは、写真撮影の際に「あ、ここは遠慮しよう・・・。」と思うエリアがある。
「畏怖」という感覚だろうか。元伊勢である籠神社(このじんじゃ)奥宮真名井神社に参拝した際にも思った。

所要時間はじっくりいる人で30分、通常なら15分くらいかと思います。

【14:30】 宮島フェリー乗場に到着まで

須佐神社を出て、山道をひたすら運転する。 こちらの地方、とくに山間部にはオレンジ色の屋根瓦が多い。 それに”しゃちほこ”のような飾りもついている。
高校の修学旅行で奈良に行ったとき、魚のような”しび(鴟尾、しゃちほこのシンプルな形)”は火災除けのお守りだと聞いたが、これらもそうなのだろうか?

広島市に入ってから道が混んできた。このままでは観光時間が取れなくなってしまうので高速にのった。

須佐神社から宮島フェリー乗場までのドライブは、景色に変化も乏しく道がやや混んでいたため、少々疲れた。

切符を購入しフェリーに乗り、約10分くらいで宮島に到着。
こちらの駐車場代は1,000円なり。
フェリー切符は大人往復が340円なり。

【15:00〜18:00】 厳島神社─海上に建設された信仰─

いよいよ来た。

ウワサに聞いていた通り、鹿があちこちに居る。
むやみに近づくまいよ(特にツノのある鹿)。
ゴミ(ビニール袋)を食べようとする鹿に
「喉に詰まってしまうから食べてはダメ」 と説得を試みたが伝わらなかった。
なんだか悔しい気持ちで厳島神社へ歩いていく。

予想よりも観光客が多い。
修学旅行の中学生、団体さん、カップル、大学生グループ、外国人の観光客、一人旅。
(ここでもなぜか一人旅は女性ばかり)

まず、目に入ってくるのは写真でよく見る、海に建つ朱塗りの鳥居。大鳥居だ。
夢中で写真撮影する人もいれば、ただ、いつまでも眺めている人もいる。
(ここでしんみり黄昏ていると、鹿にツンツンとつつかれます。)

ボート(カヌー?)で、鳥居まで近づけるツアーがあるようだ。
通常の観光客は、少し離れた陸地から眺める。

厳島神社、大鳥居と海の風景

そして、山側に目を移すと美しく気品のある朱塗りの木造建物。厳島神社だ。

目前には海、背には山がひかえ、自然の景観と一体となっている。
海上に建設された、技術と信仰心が紡いで来た日本のシンボルのひとつ。

厳島神社は、入り口と出口が決まっていて、入り口からしか入れない。
美術館のようなルールだ。そのため、一度出た後でまた観たいと思ったら
再度、拝観料を払う必要がある。
ゆっくり、じっくり、気の済むまで観て、感じることをおすすめします。

本殿の平舞台(大鳥居側の海に突き出ている部分)に立つと
こんなロマンチックな想像をするのはおそらく、私だけではないと思う。

眩い光の帯が海上を風とともに渡ってくる。よく見ると龍のようにも見える。
そしてそれは大鳥居をくぐり、まっすぐ社殿を通り、社殿の後ろの弥山(みせん)へ入っていく。

なーんて、そんな想像をするのは、私だけではないはず。
カタチはなんでも良い。竜神でも、なんとなく光っているモノでも、風でも。
そんな想像をしてしまう場所なのだ。ここは。1400年の信仰の歴史がそうさせるのかもしれない。

※右の小さな画像をクリックすると大きな画像に切り替わります。↑

宮島は思っていたよりも広い。
ロープウェーで弥山(みせん)頂上まで行くこともできるが、
私は厳島神社近辺のみの観光と、お土産屋がズラリと並ぶ通りを歩く。
お約束のもみじまんじゅうカキを食べた。

これで、念願の出雲大社と厳島神社は見ることが出来た。

こちらでの観光所要時間は、ハイライトである厳島神社とその近くの建造物
(五重塔、豊国神社など)や、おみやげなどの大通りくらいならば・・・
早い人で1時間半くらい、普通に見て2時間くらいだろうか?

私は食事もして3時間ほど居たが、大鳥居と海を見ながらボンヤリしていたりと、
ゆっくりした方だと思う。

そもそも、厳島神社の拝観時間が午前6:30から午後5:00なのでご注意を!

そう言えば、司馬遼太郎の小説、「竜馬がゆく」の【厳島】のところで
「宮島は厳島明神の社領で、芸州藩領に属しつつも一種の中立地帯をなしている。」
と書かれていたっけ。
長州との会見のために、死を覚悟して来た勝海舟はどんな気持ちでこの風景を見たのだろう。

厳島神社の狛犬
今日のまとめ
キララ多伎
住所:島根県出雲市多伎町多岐135-1
TEL:0853-86-9080
◆キララ多伎HP−島根県出雲市の道の駅、コテージ、温泉、オートキャンプ場、ビーチ−→
http://www.kirara-taki.co.jp/
須佐神社
住所:〒693-0503島根県出雲市佐田町須佐730
TEL:0853-84-0605
◆須佐神社公式ホームページ→http://www.susa-jinja.jp/index.html
宮島フェリー
住所:JR宮島口駅すぐ近く
お問い合せはこちら
〒739-0411 広島県廿日市市宮島口1丁目11-5
TEL・FAX.:0829-56-2045
お問い合わせ対応時間 9:00〜17:00(土日可)
◆JR西日本宮島フェリー株式会社|JR西日本→http://www.jr-miyajimaferry.co.jp/
厳島神社
住所:広島県廿日市市宮島町
◆宮島観光公式サイト→http://www.miyajima-wch.jp/
◆(社)宮島観光協会 厳島神社等の観光施設や歴史・自然をご紹介
http://www.miyajima.or.jp/
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